秋葉の里山を歩いていると想像力をかき立てられる。
複雑な緑色、空の淡いグラデーション。
遠くまで広がる田んぼ。
気流に乗る飛ぶ鳥。
この尊い風景を絵にする人もいるだろうし、焼き物にする人もいるだろうし、染物で表現する人もいるだろう。
みんなこの美しさを記録したいと思って写真を撮ったりもするけれど、目に映る感動した景色や色をそのまま映し取るには技術がいる。
けれど、誰でもできることで、秋葉の風景に心が動いたことを何かで記憶に留めておきたいと思う。そして、それを共有できるものになるとすごく良い。
だから、日々の感動を台所でかたちにしてみる。
ピザで表現してみるとこんな感じ。
春菊のジェノベーゼに、じゃがいも、トマトソース、たっぷりチーズ。
生地も秋葉の米粉を使ってこねて作る。
秋葉区の食材は、人を育む。
目と脳に残る緑の豊かさを台所で表現すること。
意識しなくても、自然と毎日目に映る景色は人間にとっても、植物にとっても大事な栄養素。
肌にも胃にも染み込む秋葉の味と色。
デザートにもう一枚。
秋葉で作られたキウイジャムとカマンベールチーズとハチミツの組み合わせ。
秋葉の食卓は人を育む。
暮らしの中に遊びがあり、その遊びはいつでも自然環境から生まれてくる。
緑の美しさに心が嬉しくなるのと、美味しいものを食べた時の、「あぁ幸せだなぁ」と感じる気持ちは、とてもよく似ている。