だいぶ長い時間寝ていた気がする。
朝日がまぶしい。
そういえば、だいぶ前に引退したんだったっけ。
あたりを見回すと、向こう側にいる一匹の犬と目が合った。
声をかけてみる。
犬は何も言わなかったけど、
ずっと長い間眠ったままの僕を見守ってくれていたみたいだった。
犬はゆっくり立ちあがって近寄って来てこう言った。
その瞬間、突然世界が音をたてて揺れたように感じた。
止まっていた時間が再び動き始めた。