コラム

コラム

緑の住処

秋葉区はいくつもの自然の色で覆われている。
山、木、葉、川、空、鳥、花、風、家々、まち。
かたちあるものの色だけでなく、春の野山に吹く風や、絶えず流れ行く川の音、そういう目に見えないものにも色がある。AKIHAを構成するものの多くは昔から親しまれてきた自然の色。
特に、秋葉区の大半を占める里山は、多種多色な緑色の重なりによって風景が立体化され、それは季節によってくっきりと、ときに淡く、表情豊かに変化していく。一年を通してどの季節にも、人々の暮らしのなかに当たり前のようにある緑。その緑の素はAKIHAの地を覆う丘陵。丘陵地には、かつては縄文人が歩いたと思われる「森の文明」があり、現在は様々な山野草や薬草、そして多くの生き物が生息している。

秋葉区のホームページに、

“丘陵地は、冷温帯、暖温帯の境に位置しています。そのため森には南方系と北方系の多くの樹種が共存し、豊かな自然が保たれています。森は、春の芽吹き、開花、夏の緑、秋の紅葉、そして冬の雪化粧と、季節ごとにその表情を変えてわたしたちを迎えてくれます。その折々の森の表情をとおして、新しい発見があり、自然の優しさに触れ、その感動があります。”

とある。

森は社会のようだ。
様々な個性とリズムがひとつの環境、ひとつの地域を形成していく。
生まれたばかりの人、歳を重ねた人。育つ環境や巡る季節によって変化をする木々の葉の色。森の中を歩いて、すれ違う人と挨拶を交わすことや、ふと足もとを歩いている小さな生き物に気づく瞬間や、気にも留めなかった植物の細部により近寄って観察すること、それは、会社のなかで同僚の新しい才能に気づいたり、新しい友人ができることで広がる趣味だったり、森での体験は社会での体験とよく似ている。だから、森で体験したことは社会でも役に立つことが多いだろうし、それは、感覚でしかつかめないことも多いかもしれない。

「発見」と「感動」。
自然環境が近くにある暮らしには、その2つが日常のなかに仕掛けられている。
AKIHAの大地は緑の風呂敷。
まちと里山を繋げ、人々の暮らしを包む大きな風呂敷。
社会と暮らしと自然がひとつとなった魅力的な一枚。
それは、多くの種類の自然かたちと、76,576人分の人生と暮らしの紋様でデザインされていく。

AKIHAで育む住処は、緑色をベースとした自然豊かな大地のうえに成り立ち、そこで唯一無二の生活が形成されていくとき、学びが生まれ、歴史が築かれ、自然界の色とともに、日々暮らしがより愛着深くなっていく。

※秋葉区の推計人口は76,576人。(2018年1月1日現在)